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2023/08/27

回想の館265.旧唐津銀行

佐賀県唐津市・2012年5月20日

旧唐津銀行
地図

 旧唐津銀行の誕生を語るうえで欠かせないキーパーソンは、発注者の大島小太郎、設計監修の辰野金吾、設計者の田中実。大島は唐津藩校で辰野とともに高橋是清 (後に蔵相 ~ 首相) に学び、疲弊していた唐津経済を立て直し唐津銀行を創立、初代頭取に就きました。
 
 明治45 (1912) 年竣工の旧唐津銀行。東京駅という国家プロジェクトに奔走する辰野から設計を託された愛弟子の田中は、師匠の故郷に対する思いをくみ取り、「辰野式」とでもいうべき設計スタイルを採用しています。
 
 イギリス派の建築家の中心だった辰野は、晩年、赤レンガスタイルの建築をこよなく愛し、多数の赤レンガ建築を世に送り出しました。イギリスのクイーンアン様式に塔やドームを王冠のようにいただくのが辰野流で、同時代の人はこれを「辰野式」と呼んだのです。
 
 旧唐津銀行は赤レンガと白御影石によるコントラスト、王冠のように強調した尖塔やドームなど典型的な「辰野式」デザイン。また、3連の大アーチ窓、豪華な貴賓室や大理石の暖炉など、外観と内観のディテールにはモダンデザインが散りばめられています。(唐津市のパンフ参照)
 

外観 (正面)
 天然スレート葺の屋根や銅板製のドーマー窓、赤レンガ調タイルによるアーチ窓と御影石の飾受突石などが「辰野式」
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 外観 (側面)
  建物のアクセントになる銅板葺の尖塔は、記念性を演出する「辰野式」の象徴。
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 復原された木製のカウンター (1階内観) 
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 大理石のマントルピース
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 木の階段
  艶やかな木 ~ 凝った手摺 ~ 鮮やかな赤絨毯で彩られた階段は、2階の貴賓室に向かう人々の足取りを軽やかにし、気持ちを弾ませたことだろう。
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 2階は展示スペース 
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 立入禁止?
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 のぞいてみると貴賓室だった
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 アーチ窓
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 吹き抜け   階下は待合室 
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設計図
旧唐津銀行設計図



 辰野金吾
 
 1. 東大を主席で卒業
  入学時に下位で入学した辰野は、猛勉強し東京帝国大学を主席で卒業ロンドン留学の特権を得て建築学を究める。
 
 2. 建築科教授に就任
  留学後、東大建築科の教授に就任し建築教育の基礎をつくり、辰野DNAを継いだ卒業生を多数送り出した。
 
 3. 建築家という職業を確立
  明治19年に日本人初の建築設計事務所を開設し、生涯で200余の建築設計に携わった。
 
 4. 建築史に残るプロジェクトの牽引
  日銀本店東京駅など国家的権威を示す建築物を次々と手掛け、建築家としての業績を残した。
 
 5. 建築学会設立、会長就任
  明治20年、設計者・建築業者・学者を繋ぐ職能集団である日本建築学会を創設し、永年会長として活躍した。     (唐津市のパンフ参照)
 
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